僕らはすべてを覚えてしまう。
そうして、あらゆるものを忘れてしまう。
この世界に存在している記憶に心を重ねて、
人生の目的地探しを明日に任せている。
『はじまり』それは痛みそのもの。
過ぎ去って還ることのない『おわり』を、
背後に蓄積された膨大な歴史を後ろに残してはじまる。
そのことが『痛い』のだ。
様々な意味を集めなければならない。
記憶に思いを巡らすことが
できなければならない。
追憶を忘却し、思い出が帰るのを
待つ忍耐も必要になるだろう。
記憶が僕らの血となり、目となり、表情となり
もはや僕ら自身と区別することができなくなって、
そうして初めてふとした偶然に、
忘れられない心の軌跡が思い出の真中に現れる。
『はじまりの詩』
それは思いを引き継ぐ『希望の詩』
人生を耐えがたいものにするのは、
環境ではなく「意味と目的」の欠如である。
ネガティブな感情と並行することは正しい。
苦しみは、意味を見出したとたんに
苦しみであることを、そっと止めてくれるものだから。
いろんな人の心があって、
いろんなことを言っている。
吸って吐いて、もう一度めぐりあえたら
血を流し、分解されて、
ずーっと一緒にのびていく。
記録された記憶は、僕らの孤独を切り裂き
『今』を繋いでくれる。
心の形を自由にして、奇跡に変わるものとなる。